各種粉末のキャビティへの均一充填をより確実にする粉末充填方法の発明に関する


成形品の粉末充填方法としては、粉箱内の粉末をキャビティ内に落とし込む、落とし込み充填があるが、キャビティの形状により、粉末の充填にばらつきが生じ、粉末の成分偏析等が生じたりする。改善方法として、箱内の粉末に流動性を与えキャビティ内に充填する方法を提案した。しかし、粉末に流動性が与えられるのは粉箱内にある時のみであり、キャビティに落としこまれる時の状態やキャビティの形状によっては、均一充填となっているか判別できない。また、キャビティへの粉末の充填を繰り返すうちに、粉箱内にガスを流出させるパイプの孔に粉末が詰まるなどの理由により、粉箱内へ供給されるガス量が減少し、粉末の流動性が低下してキャビティへの均一充填が損なわれる恐れがある。本特許は、粉箱内に複数のガス流出口を有し、上下動可能なパイプを設け、ガス流出口からガスを流出させて粉箱内の粉末に流動性を与えながらキャビティ内に充填するとともに、キャビティ内に充填した粉末に再度ガスを流出し、粉末に流動性を回復させ、キャビティ内の粉末をより均一な充填密度となるようにした。又、ガス流出口を通過する時の速度を変化させることにより、ガス流出口からの粉末のパイプ内への侵入やつまりを防止し、ガス流出側で粉末の飛散、舞い上がりを防止し均一な充填を促進させることができる。
ユーザー業界 概  要

電気・電子
電気・電子
セラミック部品の粉末充填
  ○セラミック製電子部品の充填に用 いることにより、より薄形で複雑 な形状の製品が生産できる

機械・加工
機械・加工
焼結成形の粉末充填装置
  ○自動車部品など焼結成形品の用い ることにより、成形後の機械加工 を廃止したネットシェイブ化がで きる

化学・薬品
化学・薬品
クロマトグラフィ−用カラムの充填
  ○クロマトグラフィ−用カラムの充 填に用いることより、カラム内の 粒度分布が均一になり、試験精度 が向上する

無機材料
無機材料
セラミック成形品の粉末充填
  ○耐熱容器、絶縁碍子など複雑形状 で強度も必要な製品の成形に用い ることにより、軽量化、コスト低 減が図れる

関連特許 国内外あり
事業実績条件 ・実施段階:実施有り
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件:許諾のみ
参考情報 本発明によれば、キャビティ内に充填した粉末に、再び流動性を与えて、キャビティ内粉末をより均一な充填密度とすることができるため、成形して出来た製品の寸法精度や強度が改善される。また、使用する粉末は、多少でも流動化する粉末であれば適用可能であり、その種類、材質、粒子サイズは任意でよく、かつ、異なる粉末の混合粉末等、粗粒粉と微粒粉混合粉の充填等にも適用可能なことから、各種粉末成形による製品のほかにも幅広い応用が考えられる。特に、自動車用部品などで複雑な形状で寸法制度が要求され、かつ、生産性向上とコスト低減のため成形後の機械加工の廃止を目指したネットシェイプ化を目的とした焼結機械部品への応用が考えられる。



タイトル
(ライセンス情報)
粉末充填方法

特許権者   トヨタ自動車株式会社、
株式会社豊田中央研究所

ライセンス情報番号 L2004008686

お問い合わせ先

トヨタ自動車株式会社
知的財産部 渉外室 企画・情報グループ 
主担当員 太刀岡 幹夫
〒471-8572
愛知県豊田市トヨタ町1
TEL:0565-72-8921 FAX:0565-72-8948
E-mail:tachioka@ip.tec.toyota.co.jp


出願番号 特願平09-270728

公開番号 特開平11-104894

特許番号 特許3434182

権 利 存 続 期 間 12年9ヶ月(平29.10.3満了)

権利化情報 
出願日/平9.10.3  公開日/平11.4.20  登録日/平15.5.30 

用語解説  
キャビティ ・製品形状に沿った成形金型等の空間
ネットシェイプ ・成形後の機械加工が不要な精密成形

参考情報  
特許流通アドバイザーによる推薦
 

原稿作成  
市毛 修  株式会社ベンチャ−ラボ PDF