安全で低コストのアレルゲンの腸管透過抑制剤であり食材としても利用可能


本発明は、アレルゲンの腸管透過抑制効果が高いペプチドやポリフェノール類縁化合物を同定し、また、これらを腸管の有効な部位まで分解されることなく効率的に送り込むことが可能なアレルゲンの腸管透過抑制剤複合体、さらに、これらを含有した食品素材ならびにこれらを用いた食物アレルギーの予防・治療方法に関する。黒ゴマ、大豆、トウモロコシ等の油糧種子由来の活性ポリフェノール類縁化合物及び/又は芳香族アミノ酸を少なくとも一部に有する活性ペプチドを有効成分とするアレルゲン(アレルギー原因物質)の腸管透過抑制剤である。また、油糧種子抽出物中の酸性高分子量化合物とキトサンのアミノ基とが結合して微細粒子が形成され、この懸濁液または粉体の状態で存在する微細粒子中に活性ポリフェノール類縁化合物及び/又は活性ペプチドを有効成分とするアレルゲンの腸管透過抑制剤が保持された複合体が得られる。複合体とすることでプロテアーゼなどの消化酵素が入り込めなくなり分解が抑制される。さらに、特定されるアレルゲンの腸管透過抑制剤又はその複合体を含有する食品素材及びこの食物アレルゲンの腸管透過抑制剤又はその複合体を経口投与するアレルギーの予防・治療方法も含まれる。投与量は1回に体重1kg当たり130μg〜13gの範囲で1〜数回/日とする。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
化学・薬品
化学・薬品
予防剤
  ○食物アレルギーの予防に有効
治療剤
  ○食物アレルギーの治療に有効
食品・バイオ
食品・バイオ
食品
  ○食品の製造として有効
飲料
  ○飲料の製造として有効

関連特許 あり
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 食物アレルギーの患者は、全人口の2〜4%と推定され、特に乳児に比率が高いことが国の調査で知られている。原因の食品は牛乳、卵、小麦、蕎麦、海老、ピーナッツなどであり、症状は下痢、皮膚炎、喘息などが現れる。特に腸管からアレルゲン(アレルギー原因物質)が体内へ吸収(透過)により惹起される。しかしながら食生活では原因食物を完全に除去することは難しい。本発明は、人体に安全であり、しかも安価に製造できる黒ゴマを代表として、この中からいわゆるポリフェノールやペプチドなどの有効成分を抽出して、アレルゲンの腸管の透過を抑制する複合体としているので安心して使用ができる。予防や治療剤として有効であり、また食材としても利用できる。


タイトル
(ライセンス情報)
アレルゲンの腸管透過抑制剤とその複合体、更にはこれらを含有した食品素材および…

出 願 人 独立行政法人食品総合研究所

ライセンス情報番号 L2004008226

お問い合わせ先

社団法人農林水産技術情報協会
特許情報部
 技術主幹 高野 博幸

〒 103-0026
東京都中央区日本橋兜町15−6 製粉会館6F
TEL:03-3667-8931  FAX:03-3667-8933
E-mailAddress:
tokkyo@afftis.or.jp




出願番号 特願2003-053933

公開番号 特開2004-262815

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平15.2.28 公開日/平16.9.24 登録日/出願中

用語解説 
ペプチド アミノ酸が多数結合したものをタンパク質、アミノ酸が数個結合したものをペプチドと呼ぶ
ポリフェノール 殆どの植物に含まれる色素や苦味、渋みの成分。強い抗酸化作用で老化の原因の活性酸素を除去する
キトサン カニやエビの殻、きのこなどの細胞壁に含まれる動物性(キノコは動物ではない)の食物繊維。バイオバス(生物資源)として注目

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
参照可能な特許流通支援チャート
    :15年度 化学19 キチン・キトサン利用技術
    :17年度 化学30 抗アレルギー剤
    :14年度 一般 7 機能性食品

原稿作成 
川田 洋二  日本アイアール株式会社 PDF