プラスチック成型において、冷却・加熱効率が良く、ウエルド発生の防止を図った金型入れ子


プラスチックの成型には、溶けた樹脂を高圧注入する射出成型法が多い。使用する金型に汎用性を持たせるために、金型に脱着可能な入れ子がよく用いられる。入れ子は迅速に冷却・加熱が必要なために薄い構造となっており、強度の面で問題がある。また形状によっては冷却・加熱が不適当で、特に入れ子の突起部(成型品の穴部)の周りでは溶融樹脂が廻り込んでできる接合線(ウエルドライン)が欠陥疵となる場合がある。本発明品はウエルドラインの発生を防止し、かつ、入れ子の強度面の問題を解消したものである。第一に、金型基体と入れ子との嵌合部を工夫していくつかのブロックに区分けし、ブロック毎に適した温度の冷却・加熱媒体を流せるようにし、例えば穴部を有するブロックには温度の高い冷却媒体を流すことにより、ウエルドラインの発生を防止できた。次に、薄い構造となっている入れ子の裏面に補強リブを設け、強度面での問題を解消した。さらに、金型基体の入れ子嵌合面と入れ子裏面との間にコーキング材として石膏を充填したため、両者の隙間が無くなり、入れ子が破損しにくくなった。そして、入れ子の裏面にU字型の溝を設け、成型品に近い部位に冷却・加熱媒体が流れるようにし、冷却・加熱効率を上がり、品質が安定した。最後に入れ子裏側の溝面を含む全域にブラスト加工を施し、1〜50μの凹みを作り粗面にすることにより、さらに熱効率を高めることができた。
ユーザー業界 概  要
有機材料
有機材料
機械・加工
機械・加工
●ウエルド防止金型
  ウエルド(ウエルドライン)のでき易い穴部が存在する成型品に適用し、ウエルドラインの防止を図る。


関連特許 なし
事業実績条件 ・実施段階:あり
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾
参考情報 プラスチック成型品に穴部を有するものは、溶融樹脂の廻り込みによるウエルドラインができ易く疵となるので、このような穴部を有するプラスチック成型品に対して本発明による入れ子を適用した金型を用いると不良低減の効果がある。例えば、水撒き用のビニールホース継ぎ手はウェルドラインがあると、疵が目には見えなくても水漏れの原因になる。このような継ぎ手の成型に本発明による入れ子を適用した金型を用いるとウエルドラインを防止、不良低減できる。また、中空の箱型の成型品、特に、穴の空いている箱型の成型品はウエルドラインができ易い。このような箱型の成型に本発明による入れ子を適用した金型を用いるとウエルドラインを防止でき、不良低減の効果がある。



タイトル
(ライセンス情報)
金型

特許権者   株式会社富士精工

ライセンス情報番号 L2004000796

お問い合わせ先
〒 379-2301
   群馬県新田郡薮塚本町大字薮塚2991-1
   株式会社富士精工
     専務取締役
      金子 光男
      TEL:0277-78-5566
      FAX:0277-78-5844

出願番号 特願2000-189309

公開番号 特開2002-001770

特許番号 特許3407259

権 利 存 続 期 間 16年2ヶ月
(平32.6.23満了)

権利化情報 
出願日/平12.6.23  公開日/平14.1.8  登録日/平15.3.14 

用語解説  
入れ子 ・ひとつの金型基体に汎用性を持たせるため、脱着可能な金型を嵌め込む。この金型のことを入れ子という。
ウエルド ・療法から流れて来た溶融樹脂の先端が会合した場所にできる線状の疵。ウエルドラインとも言う。

参考情報  
特許流通アドバイザーによる推薦

原稿作成  
大村 平人  日本アイアール株式会社 PDF