高い曲げ疲労特性を有するアンテナ等に好適な銅合金線(棒、帯等の長尺体)の簡易製造方法


この発明は加熱鋳型式連続鋳造法によって直接銅基形状記憶合金を製造する方法と製品に関するもので、例えば携帯アンテナ等の繰り返し曲げ強度を必要とする線材料や棒材、帯材など長尺ものを安価に提供できる画期的な製造法と製品である。 従来、携帯アンテナ等の材料は、主としてTi-Ni系形状記憶合金が使用されている。しかしこの合金はインゴットを鋳造した後、焼鈍、熱間加工を繰り返し、その後線材加工し、形状記憶効果による特性を得るため、溶体化処理し、さらに急冷して製造するなど複雑な工程が必要であった。またTi、Ni材料は価格が高いという問題があった。 形状記憶合金の中で銅系合金は、Ti-Ni系合金以外に工業的に実用可能な性質を持つ合金であるが、従来の一般的鋳造法では形状記憶合金化することが難しい。 そこで発明者らは複雑な加工工程を省略し、溶湯から直接銅基合金線、棒、帯等の長尺体を製造する技術に改良を行い、ついに高い曲げ疲労特性を有する新たな製造方法と材料とを開発した。本発明は錫、亜鉛、アルミニューム、ニッケル、ベリリュームなどから選ばれた1ないし2の金属と銅との合金を@一方向に整列した組織からなり、形状記憶性を有するよう加工した合金でA製造法として一端から溶湯を供給し、他端から鋳片を連続的に得るために炉内の温度を制御し図に模式的に示すよう、鋳片を冷却するように制御して製造する方法である。
ユーザー業界 概  要
機械・加工
機械・加工
●スプリング材料
  腐食性に優れたスプリング材料として利用価値が大きい。

生活・文化
生活・文化
●女性下着の形状保持他
  Ti-Ni合金の形状記憶合金に代わって、安価な本発明が今後多用される可能性がある。

生活・文化
生活・文化
●電磁波防護用金属繊維
  マイクロ波等の電磁波を避けるための防護衣服があるがそれの素材として利用できる。

金属材料
金属材料
●配管材料
  振動を多く受ける部分の配管材料として好適である。


関連特許 なし
事業実績条件 ・実施段階:なし
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾
参考情報 携帯電話及びそれに類するウエラブルな情報機器は今後ますます普及するので需要量はさらに増大すると予想される。その他にこの材料の特長(すなわち形状記憶性、銅合金のため腐食しにくい性質、相対的に材料費が安い、屈曲性に優れている等々)を生かした次のような利用が考えられる。 @現在使用されている女性下着などの他に身のまわり品、おもちゃなどの生活用品にさらに多用されると予想される。 A自動車や列車、航空機などの振動を受けたり、屈曲を繰り返すような配管材料等に使用できる。 B最近問題になっているマイクロ波の電磁波防護用の防護服などへの巾広い用途が考えられる。 C屈曲性を利用してスプリング、板ばね、振動板などへの用途が考えられる。



タイトル
(ライセンス情報)
高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体及びその製造方法

出願人    学校法人千葉工業大学

ライセンス情報番号 L2003009790

お問い合わせ先
〒 275-0016
   千葉県習志野市津田沼2-17-1
   学校法人千葉工業大学
   学務部 研究助成課
     課長
      入山 光博
      TEL:047-478-0325
      FAX:047-478-3344

出願番号 特願2000-192181

公開番号 特開2002-003964

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報 
出願日/平12.6.27  公開日/平14.1.9  登録日/出願中 

用語解説  
マルテン サイト ・刃物などに使う鋼材が焼き入れによって硬化するような状態を言い、脆いが硬い鋼へと変化する。
形状記憶 合金 ・金属に外力を加えると変形が生じ通常の金属では塑性変形をするが、加熱すると形状が回復し元の形状に戻る
超弾性 ・一定の力で変形させても力を除くと元の形状に戻る特性のこと。

参考情報  
特許流通アドバイザーによる推薦

原稿作成  
角南 英八郎  有限会社 知財情報研究所 PDF