誘導加熱によって工作機械の刃物をホルダに確実に固定する方法


工作機械に使用される、ボ−ルデンドミル、スクエアデンドミル、ドリル、リーマなどの刃物をホルダに確実に把持させるために、高周波加熱による熱収縮によって確実に把持させる在来の技術においては、微細加工用の小型の刃物(刃物ホルダの直径5mm、保持穴の直径3mm、肉厚1mm程度のもの)については、大型の刃物用ホルダには目立たなかった渦電流効果による損失が大きくなって加熱効果が低下するため、装置は大型となり(例えば、入力電圧200V、入力電流16Aという在来製品がある)、加熱状況によっては把持したものを抜くことが出来ないおそれがあるなどの欠点があった。これを解決するために、従来は加熱のための高周波電力の周波数が20〜50KHzであったものを、表皮効果が利用できる1.8〜3MHz程度のものとして問題点を解決した。また、ここで使用する高周波電力発生装置については、この用途のためにトランジスタ・スイッチング回路を開発して小型化(入力電圧100V、入力電流5.1A)を図った。また、装置の大きさにおいても従来の周波数を使用する電源装置に比べ、容積で1/9、重さで1/10程度のものとなっている。
ユーザー業界 概  要
機械・加工
機械・加工
●微小アクチュエータ
  小型バイス、ジグのチャック、ロボットハンドなどで、加熱されて支障のないもの。

機械・加工
機械・加工
金属材料
金属材料
●高周波加熱
  小さい金属部品の400℃程度までの加熱。

電気・電子
電気・電子
●高周波電源
  小型で効率の高い高周波電源装置。


関連特許 なし
事業実績条件 ・実施段階:有
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾
参考情報 微細加工工作機械において、刃物を確実かつ迅速に着脱できることは、加工能率の向上の点で大きな効果をもたらす。また、他分野への広範囲な展開が期待できることに注目したい。まず、小さい対象物を効率よく高周波加熱する手法という点が、応用展開上注目に値する。本発明は、微細加工工作機の刃物ホルダに関しての技術であるが、対象が金属であれば広く他の分野に応用できる。例えば、自動組立装置におけるジグのチャック、小物をハンドリングするロボット、マイクロマシンのアクチュエータなどがあげられる。次に、1〜3MHz程度の周波数の小型の高周波電力発生装置であるが、これも広範囲な応用が可能である。超音波振動子の励磁用、高周波乾燥機などが考えられる。



タイトル
(ライセンス情報)
2MHzの高周波電流による誘導加熱式焼ばめ装置

出願人    ワイエス電子工業株式会社

ライセンス情報番号 L2003006606

お問い合わせ先
〒 400-0312
   山梨県南アルプス市上宮地95-5
   中谷 進
      TEL:055-282-4812
      FAX:055-282-4812

出願番号 特願2001-210329

公開番号 特開2003-025158

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報 
出願日/平13.7.11  公開日/平15.1.29  登録日/出願中 

用語解説  
表皮効果 ・周波数の高い電流は、導体の中では中心部は流れず、表面に分布することをいう。
把持 ・把握と保持の総称。
把握 ・指の機能による物体の拘束。(人の指の形にはこだわらない。)
保持 ・指の機能によらない物体の拘束。

参考情報  
特許流通アドバイザーによる推薦

原稿作成  
稲垣 荘司  有限会社 テクノトレード PDF