アルミ合金等に自己潤滑性を付与し、自動車や航空機などの機械部品、電子機器等に有用な自己潤滑複合材料


本発明は、アルミ合金に自己潤滑性を付与し、自動車や航空機などの機械部品や電子機器等に有効に利用できる自己潤滑複合材料及びその製造方法を提供するものである。具体的には、自己潤滑性により、低摩擦・耐摩耗、さらにメンテナンスフリーにした軽合金基自己潤滑複合材料を提供するものである。もうひとつの課題は、電気接点などのように、通電特性と共に低摩擦・耐摩耗性が求められる場合にも適用できる軽合金自己潤滑複合材料を提供することにある。本発明は、高シリコンのAl−Si合金粉末の70〜10Vol%と、黒鉛のNiコーティング粉末からなる固体潤滑剤の30〜90Vol%との混合体を焼結固化することを特徴とする。製造方法は、高シリコンのAl−Si合金粉末と固体潤滑剤とを混合し、放電プラズマ焼結法(SPS法)により焼結固化するものである。上記構成の複合材料は、軽量で、しかも、固体潤滑剤を含むので、低摩擦・耐摩耗、メンテナンスフリーで、移動体の機械部品、電気接点など通電と低摩擦・耐摩耗性が共に求められる場合にも有効に利用できる。また、粉末混合体の焼結にSPS法を用い、充填した粉末混合体を圧縮と同時に、パルス状大電流を流して粉末を固化させると、密度と強度に優れた材料を短時間に創成でき、しかも、焼結時間が短いため、合金粉末と潤滑剤粉末との副反応を抑制して、従来にない優れた自己潤滑複合材料を創製できる。
ユーザー業界 概  要
生活・文化
生活・文化
金属材料
金属材料
●低摩擦、耐摩耗性、軽量、メンテナンスフリーを生かしたスポーツ用具
  スキー/ローラースケート/ボブスレー

金属材料
金属材料
生活・文化
生活・文化
輸送
輸送
●軽量ベアリング/自己潤滑性パイプ
  車椅子/自転車/家具部品/各種車両/

生活・文化
生活・文化
土木・建築
土木・建築
●軽く動く大型ファスナー
  膜構造物連結用/組立ハウス/建築資材/


関連特許 なし
事業実績条件 ・実施段階:なし
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾
参考情報 機械部品分野は、自動車、家電、事務機、農機、精密機器等、多岐にわたるが、自動車部品に関し、米国では焼結部品の伸びが顕著で、この10年間で約2倍に達した。工具や耐食性合金でも焼結品が実用化されている。欧米に比べ日本は焼結部品の比率が低く、今後は焼結品への転化が加速すると予測される。機械部品の場合、低摩擦、耐摩耗性が要求され、特に移動機械では、省エネの観点から軽量化も重要であるが、現状では、軽合金ベースの潤滑性複合材料は見受けられない。例えば高シリコンのアルミ合金の自己潤滑性が向上するとコンプレッサー部品や、エンジンオイルポンプのロータ等への応用が期待できる。本発明の焼結部品は、長寿命が要求される軸受、シール等の機械部品、金型部品、射出成型機、工作機械、ロボット、スポーツ用品等への応用も期待され、軽量化、メンテナンスフリー化、省エネ・省資源化に貢献出来る。



タイトル
(ライセンス情報)
軽合金基自己潤滑性複合材料及びその製造方法

特許権者   独立行政法人産業技術総合研究所

ライセンス情報番号 L2003002620

お問い合わせ先
〒 305-8568
   茨城県つくば市梅園1-1-1
   独立行政法人産業技術総合研究所つくばセンター
   産総研イノベーションズ
     業務部門 部長
      山上 喜吉
      TEL:029-861-5210
      FAX:029-861-5087

出願番号 特願2000-137408

公開番号 特開2001-316688

特許番号 特許3383843

権 利 存 続 期 間 16年1ヶ月
(平32.5.10満了)

権利化情報 
出願日/平12.5.10  公開日/平13.11.16  登録日/平14.12.27 

用語解説  
自己潤滑性 ・材料自体が摩擦係数が低いため潤滑油を利用することなく滑らかに摺動することの出来る接触状態
プラズマ ・自由に運動する正、負の家電粒子が共存していて、電気的に中性の状態になっている物質の状態をいう。
放電プラズマ焼結法(SPS法:Spark Plasma Sintering) ・圧粉体粒子間隙にパルス状大電流を投入し、火花放電により発生するプラズマのエネルギーを焼結に応用する

参考情報  
 
参照可能な特許流通支援チャート
  ・14年度 一般 8 アルミニウムのリサイクル技術

原稿作成  
梶谷 浩一  株式会社 テクノソフト PDF