光アクチュエ−タ素子を光起電力効果を持つ単結晶材料を用いて構成することで従来技術の欠点を克服できた


光アクチュエ−タ素子を、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸タンタル、チタン酸バリウムなどに鉄または銅を添加した光起電力効果を持つ材料を熱処理することによって分極反転層を利用した単結晶モノモルフ板として構成し、あるいはバイモルフ形に構成することにより、従来のチタン酸ジルコン酸ランタン鉛のセラミックス材を用いて構成した多結晶材料を用いた光アクチュエ−タ素子の問題が一挙に解消できた。すなわち、従来の光アクチュエ−タ素子で必要とした分極処理プロセスや貼り合わせの工程が不要となり、従来の多結晶材料を用いた光アクチュエ−タ素子が持つ欠点である、素子中の結晶軸の方向が不統一であること、微結晶中に分域が存在すること、ヒステリシス・クリ−プが存在すること、キュ−リ−温度が低いこと、などの多結晶材料に特有の欠点を取り除くことができ、光アクチュエータ素子の性能を向上させることができた。さらに、光照射用の光源として、350〜600nmの波長範囲の光を出すランプやレーザを用いることで光起電力効果を最大化でき、光照射に応じて光起電力効果が起こり、光歪効果によって光アクチュエ−タ素子が変形するまでの応答性能も一桁高めるられることが分かった。
ユーザー業界 概  要

情報・通信
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生活・文化
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光制御型光スイッチ
  ○光による制御で光路をスイッチす る全光型スイッチ素子を構成する

光制御型MEMS
  ○光による制御で光路をスイッチす る微細構造ミラーの配列を造り、 新型のMEMSとする

関連特許 なし
事業実績条件 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件:許諾のみ
参考情報 光アクチュエ−タ素子の応用としては、光センサ、光アクチュエ−タ、光コントローラ、光発電器、光エネルギ変換素子等の形で利用され、今後の発展が期待されている光機能装置及びその集積化システムの構成要素として幅広い応用が想定される。光産業の全世界市場規模は2010年に59.8兆円と予測されているが、関連装置市場として、2003年国内生産額見込み14.9兆円(光産業技術振興協会)の0.1%と控え目に想定しても149億円規模である。年率10%を越える市場規模全体の拡大と新製品開発による新規マーケットの市場規模比率が22%から37%に拡大していくと予想される発展途上の市場であり、新製品開発のキーデバイスとしの適用分野の拡大が期待される。



タイトル
(ライセンス情報)
光アクチュエータ素子

特許権者   独立行政法人産業技術総合研究所

ライセンス情報番号 L2001008640

お問い合わせ先

独立行政法人産業技術総合研究所つくばセンター
産総研イノベーションズ 
業務部門 部長 山上 喜吉
〒305-8568
茨城県つくば市梅園1−1−1
TEL:029-861-9231 FAX:029-862-6159
E-mail:k.yamagami@aist.go.jp



出願番号 特願平11-075349

公開番号 特開2000-267022

特許番号 特許3106187

権 利 存 続 期 間 13年9ヶ月(平31.3.19満了)

権利化情報 
出願日/平11.3.19  公開日/平12.9.29  登録日/平12.9.8 

用語解説  
光アクチュエ−タ ・光の持つ情報とエネルギーを利用して動力に変換する新しいアクチュエータで、光起電力、光歪効果を利用する
PLZTセラミックス ・セラミックスは高温で焼成した非鉄無機材料の総称であり、鉛・ランタン・ジルコン・チタンを含むものを言う

参考情報  
 
参照可能な特許流通支援チャート
  :14年度 機械7 MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術
  :16年度 機械7(更新)MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術

原稿作成  
山本 良一  NTT-AT IPシェアリング株式会社 PDF