植物由来のケルセチンの配糖体を有効成分とする紫外線防御剤


紫外線は、物質に光化学反応を誘起する力が強く、物質の劣化、変質の原因となり、例えば食品においては、その品質劣化の重要な一因となる。また、生物にも大きな影響を及ぼすが、特にDNAは感受性が高く、紫外線照射により生成したラジカル分子が細胞に傷害を与え、突然変異等を引き起こす。結果として生体に重大な傷害を与え、特に近年、大気中のオゾンの減少による紫外線量の増加により、皮膚ガンの増加が懸念されている。従って、より有効な紫外線防御剤が望まれるが、現在化粧品等に使われている紫外線吸収剤には、光毒性や累積刺激性があるなど、安全性と物性の面で問題がある。また、食品に使用可能で効果的な紫外線防御物質も見当らない。本発明者等は、化粧品に有効でしかも食品加工の分野にも使用できる安全で効果的な紫外線防御物質を得るべく、植物体、特に食用としての野菜を対象に鋭意スクリーニングを行った。その結果、一般的な植物色素のフラボノイドに属する化合物の一部が紫外線防御作用を示すことを認め、本発明を完成した。すなわち、本発明は、ケルセチン−3,4’−ジグルコシド及びケルセチン−3−アラビノグルコシドから選ばれるケルセチンの配糖体を有効成分として含有する紫外線防御剤である。ケルセチン配糖体の使用量は、食品には500〜800マイクロモル/食品kg、化粧品には400〜600 マイクロモル/化粧品kgが好ましい。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
化学・薬品
化学・薬品
有機材料
有機材料
生活・文化
生活・文化
化粧品
  ○化粧品用の紫外線防御剤として極めて優れている/化粧品に配合し日焼け止め化粧料を作る
  
  
化学・薬品
化学・薬品
有機材料
有機材料
食品・バイオ
食品・バイオ
品質劣化防止食品
  ○食品用の紫外線防御剤として極めて優れている。
  ○食品中の脂質の酸化や色素の退色の防止を目的に、食品に混合する
ケルセチンの配糖体
  ○野菜を対象にスクリーニングを行った結果、フラボノイドに属する化合物の一部が紫外線防御作用を示す

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 本発明により、優れた紫外線防御作用を示し、しかも極めて安全性の高い紫外線防御剤が提供される。各種ケルセチン配糖体の中で、3,4’−ジグルコシド及び3−アラビノグルコシドや3−ルチノシドでほぼ100 %の防御効果が認められ、また、致死作用は殆ど認められない。従って、本発明の紫外線防御剤は、食品中の脂質の酸化や色素の退色の防止を目的に、食品に混合することが可能である。また、化粧品に配合し日焼け止め化粧料を作ることが可能である。ケルセチン配糖体の紫外線防御剤としての使用量は、添加する対象商品により異なるが、例えば食品に対しては500〜800マイクロモル/食品kg、化粧品に対しては400〜600 マイクロモル/化粧品kgが好ましい。なお、ケルセチンは、毛細血管の脆弱化を防止し、毛細血管を強化する作用を有することから、脳溢血、動脈硬化、高血圧症の治療、予防に用いられている。


タイトル
(ライセンス情報)
植物由来のケルセチン配糖体を有効成分として含有する安全性の高い紫外線防御剤

特許権者 独立行政法人食品総合研究所

ライセンス情報番号 L2001003670

お問い合わせ先

社団法人農林水産技術情報協会
特許情報部 技術主幹 高野 博幸

〒 103-0026
東京都中央区日本橋兜町15−6 製粉会館6F
TEL:03-3667-8931  FAX:03-3667-8933
E-mailAddress:
tokkyo@afftis.or.jp




出願番号 特願平04-237383

公開番号 特開平06-088063

特許番号 特許2909522

権 利 存 続 期 間 6年8ヶ月(平24.9.4満了)

権利化情報  出願日/平4.9.4 公開日/平6.3.29 登録日/平11.4.9

用語解説 
配糖体 グリコシドともいう。環状構造をとった糖のアセタール誘導体

参考情報 
●特許流通アドバイザーによる推薦

原稿作成 
●山本 信夫  株式会社テクノソフト PDF