目的
引張強度1.5GPa超の高強度鋼において、表面だけでなく材料全体の組織制御を行うことで、き裂停留限界ではなくき裂発生限界を向上させ、未処理材と比較して高い疲労限度を有する材料を提供する。
引張強度1.5GPa超の高強度鋼において、引張強度の0.42倍程度(応力比0)、即ち疲労限度0.63GPa超の高強度鋼を提供する。
効果
引張強度1.5GPa超の高強度鋼において、表面だけでなく材料全体の組織制御を行うことで、き裂停留限界ではなくき裂発生限界を向上させ、未処理材と比較して高い疲労限度を有する材料を提供できる。
従来のマルテンサイト鋼に存在していた高引張強度鋼の疲労限度の上限を打ち破ることができる。そこで、予疲労変形処理後のマルテンサイト鋼を自動車の足回り部品などに用いることで、高い疲労特性が要求される鉄鋼部材の薄肉・軽量化が促進され環境負荷低減につながることが期待される。
技術概要
C:0.15〜0.6mass%、Mn:0.2〜5mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
上記組成の鋼材をオーステナイト化後に焼入れることで得られる引張強度が1.5GPa以上のマルテンサイト鋼であって、
マイクロビッカース硬さ試験での変動係数が3.2×10↑(−2)以下であり、
ナノインデンテーション試験により測定した、結晶方位差が15度以上である大角境界のナノ硬さ平均値と、前記マイクロビッカース硬さ試験の測定平均値との比が1.55×10↑(−2)以上である、
高疲労限度と高強度を両立したマルテンサイト鋼。