出願番号 |
特願2019-531011 |
出願日 |
2018/7/13 |
出願人 |
名古屋市 |
公開番号 |
WO2019/017295 |
公開日 |
2019/1/24 |
登録番号 |
特許第6878724号 |
特許権者 |
名古屋市 |
発明の名称 |
ゲル状組成物 |
技術分野 |
化学・薬品、有機材料 |
機能 |
材料・素材の製造 |
適用製品 |
医療品、化粧品など |
目的 |
フルオロカーボン等のフッ素化化合物は化学的および生物学的に極めて不活性であるうえ、ガス(例えば、酸素、二酸化炭素、空気)の溶解度が高いという特性を有する。また、ガスを輸送し遠くに拡散させることができる。そのため、ゲル状に増粘させたフッ素化化合物は医療材料として組織や器官へ高濃度の治療用ガスを送達するための手段として注目されている。しかしながら、これまで50重量%を超える濃度でフルオロカーボンを含有するゲルは得られていない。本発明では、フッ素化化合物を高濃度に含有するゲル状組成物を提供することを目的とする。 |
効果 |
本発明は、本特許記載のフッ素系界面活性剤を、主にパーフルオロポリエーテルに代表されるフッ素油に溶解・析出させることにより得られる混合物が高い粘性を有し、流動性が抑えられた、いわゆるゲルとして機能することを見出した。得られたゲルは安定性に優れ、化学的、生物学的に極めて不活性であり、加熱滅菌処理等を行っても粘性を高く維持することができる。また、フッ素油のゲル化に必要なフッ素系界面活性剤の添加量は少量で十分な効果があり、少なくともフッ素油の濃度が95重量%であっても目視で流動性のない安定したゲルを形成できる。 |
技術概要 |
本発明におけるフッ素系界面活性剤は、パーフルオロアルキル鎖部と炭化水素鎖部とを有する化合物であり、本発明におけるフッ素油のゲル化剤として使用される。本フッ素系界面活性剤のパーフルオロアルキル鎖部はフッ素油と親和性を有するため、フッ素油に加熱溶解させることができる。フッ素系界面活性剤をフッ素油に添加し相溶させると、冷却時にフッ素油中においてフッ素系界面活性剤がひも状に会合し、網目状構造体を形成する。網目状構造体による液体の保持効果により、フッ素油の流動性が減少し、粘性が上昇することでゲル状組成物が得られる。また本発明のゲル状組成物は、フッ素油にフッ素系界面活性剤を添加し、加熱溶解後室温まで冷却する工程のみであり、容易に調製できる。フッ素油の分子量は少なくとも1500〜6250の範囲で効果があり、幅広いフッ素油の粘度域、分子量域において効果があることを確認している。フッ素系界面活性剤の濃度はフッ素油に対し少なくとも5重量%程度あればよく、高濃度のフッ素油を含むため、ガスの溶解性もしくはガスの透過性に優れ、医薬品、医薬部外品、化粧品、または潤滑剤等として好適に使用することができる。 |
実施実績 |
【無】 |
許諾実績 |
【無】 |
特許権譲渡 |
【否】
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特許権実施許諾 |
【可】
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