目的
グルコースのヒドロキシメチル基を特異的に酸化する能力を有する新規変異菌株を提供すること、及び当該変異菌株によるグルクロン酸発酵の工程を含む、高収率、廉価、簡便、且つ環境に配慮したグルクロン酸及び/又グルクロノラクトンの新規製造方法を提供する
効果
グルクロン酸発酵により、グルコースから直接グルクロン酸を高収率で製造することができる。
従来の製造方法に比べ、低コストでグルクロン酸及び/又はグルクロノラクトンを製造することが可能である。
本発明の方法では、硝酸などの窒素酸化物を使用しないので、安全に、且つ環境に影響を与えることなくグルクロン酸及び/又はグルクロノラクトンを製造することができる。
技術概要
グルコースから直接グルクロン酸を生成する微生物(シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス Rh47−3株)又はその処理物を、グルコースに接触させ、グルクロン酸発酵で直接グルクロン酸に変換することを特徴とし、その後、菌体除去、脱塩・脱色、限外濾過、濃縮してグルクロン酸を、さらにラクトン化してグルクロノラクトンの結晶を回収する、という単純な工程で高収率でることができる。製造コストは、従来法より安価に製造でき、硝酸や硫酸といった強酸を用いることもなく常温、常圧で反応が進行するので、特殊な反応装置を必要とせず、さらに有毒ガスの発生はなく、廃棄物も少ない環境にやさしい方法である。
アピール内容
グルクロン酸は、肝臓の機能改善、解毒作用促進、疲労回復等の機能を有しており、これらの効能を目的に、現在日本では医薬品あるいは医薬部外品の飲料製品に使用されています。海外では、食品として栄養ドリンクに使用されています。日本でも薬効を標榜しなければ食品として扱うことができます。
現在のグルクロン酸は、でん粉を原料とし硝酸や硫酸などの強酸を使用する合成法で製造されており、その結果、安全性、収率、廃棄物処理等に係る環境面等で課題を抱えていました。
当社が開発したグルクロン酸の新規製造法は、グルコースを微生物発酵により直接グルクロン酸に変換することを特徴とし、その後、菌体除去、脱塩・脱色、限外濾過、濃縮してグルクロン酸を、更にラクトン化してグルクロノラクトンの結晶を回収する、という単純な工程になります。このたび開発した微生物は、菌体内に酸化酵素系を有し、グルコースの6位のメチレン水酸基を特異的に酸化して9割の確率でグルクロン酸を生成します。
原料のグルコースは、でん粉から容易に、また安価に得ることができますので、今回開発した新規製造法では従来法より安価に製造することができます。また、硝酸や硫酸といった強酸を用いることもなく常温、常圧で反応が進行しますので、特殊な反応装置を必要としません。さらに有毒ガスの発生はなく、廃棄物も少ないので環境にやさしい方法といえます。