断面隅部に管状体・ウェブ面に円形環とする複合補強梁

開放特許情報番号
L2014001792
開放特許情報登録日
2014/9/25
最新更新日
2016/12/28

基本情報

出願番号 特願2013-131225
出願日 2013/6/24
出願人 株式会社 構造材料研究会
公開番号 特開2015-004249
公開日 2015/1/8
登録番号 特許第5510597号
特許権者 株式会社 構造材料研究会
発明の名称 円形環補強梁部材
技術分野 土木・建築、金属材料、その他
機能 材料・素材の製造、免振・制振、その他
適用製品 逆対称曲げを受け両材端部から塑性化が進行するH形断面梁に対して、薄肉断面であっても降伏曲げモーメントを確保し且つその後も暫くは耐力低下することなく推移し、更に正負交番に繰返される荷重にも安定した力の釣合を保つ、高い塑性変形能力が求められる梁。
目的 フランジが先行して降伏する梁であっても、力学挙動の骨格は面内せん断を受けるウェブの性状に左右される。ウェブ面のせん断応力は直交する引張応力成分と圧縮応力成分とで構成され、せん断変形の進行に伴い圧縮応力成分は維持され難く理論上の降伏せん断荷重の略50%が限界となる。塑性化する両材端部のウェブ面に円形環を添接してその部位の圧縮応力を引張応力へと変換し100%に迄耐力を伸ばす。更にフランジと並行にウェブの上下隅部に管状体を設けて円形環外側領域を安定化し、梁の降伏曲げ荷重を確保し且つ塑性変形能力の高い梁とする。
効果 代表図に示すようウェブ面に円形環を添接し且つその左右に縦スティフナーを配し、円形環を囲む枠組で環内側の斜め引張応力の釣合を図ることでせん断降伏荷重を確保できる。更にフランジと並行して断面隅部に管状体を設けることで円形環外側のウェブ面では局所的変形を抑止すべく新たな引張応力が生じ、梁ウェブはせん断降伏荷重を大きく上回る強さとなる。円形環内側に円形孔のある場合は局所的変形が大きく、抑止力が加速的に増えウェブ全断面で換算されるせん断降伏荷重に迄も届く。これらの各動きを右図の破線,実線,点線で示している。
技術概要
概略イメージ1は本補強構造とするH形断面梁の実施例で、塑性化する梁両端部近傍の領域@と弾性状態にある梁の中間部領域A,Bに区分する。領域@ではウェブ面に円形環と上下隅部に管状体を設け、管状体は領域Aに迄伸ばして剛性の急激な変化を避けるものの領域Bは補強しない。スパン9,000mm,梁成600mmのH形断面梁の解析結果を降伏曲げモーメントで無次元化し重ねて実線で示したが、フランジ板厚3種,ウェブ板厚5種の15例は降伏曲げモーメントに届きその後暫くは耐力低下せずに推移する。なお、これら梁のうち最大となるせん断力は降伏せん断荷重の58%であり、弾性領域にあれば補強の無いウェブでもここまでは耐えられる。概略イメージ2は両材端部の円形環内側に円形孔のある場合の補強図で、円形環上下隅部にはウェブ両面に管状体を設けている。円形孔があることで円形環は楕円に変形しやすく、円形環の外側領域では変形を抑えようとする大きな抵抗力が生じてウェブのせん断強度が上がる。前記実施例の内フランジ板厚17mmの梁5ケースの解析では、破線で示す梁成1/2孔径,点線で示す梁成2/3孔径の各結果とも実線で示す円形孔の無い梁の結果とは殆ど変りはないことを示している。
イメージ図
実施実績 【試作】   
許諾実績 【無】   
特許権譲渡 【否】
特許権実施許諾 【可】
実施権条件 本特許と関連する2件の特許はライセンスパッケージ情報に登録しております。特許実施許諾は通常実施権を前提とします。ランニング対価として30万円/年,3件の特許一括で50万円/年とします。

アピール情報

導入メリット 【改善】
改善効果1 梁両端部近傍の領域での軽微で且つ限定的な補強だけで梁の力学性能は大きく変わり、厚肉乃至薄肉の断面の梁に幅広く適応される。
改善効果2 断面内の応力流れを代え,更に新しい応力流れを創ることができ、断面板厚を変えることなく耐荷能力の高い梁へと代えることができる。
改善効果3 大梁であれ小梁であれ、梁の力学性能を落とすことなく,むしろ性能を上げて、断面の薄肉化・鋼材の高強度化を図ることができる。

登録者情報

登録者名称 株式会社構造材料研究会

技術供与

掲載された学会誌 【有】
掲載学会誌名1 22471「円形環補強ウェブとするH形断面梁の非線形挙動 1」 石田 薩川 鈴木 日本建築学会九州大会 2016年8月
掲載学会誌名2 22472「円形環補強ウェブとするH形断面梁の非線形挙動 2」 薩川 石田 鈴木
掲載学会誌名3 22473「円形環補強ウェブとするH形断面梁の非線形挙動 3」 鈴木 
技術指導 【可】
期間 契約後1年間
技術指導料 【不要】 
コンサルティング 【可】
期間 契約後1年間
コンサルティング料 【不要】 

その他の情報

その他の提供特許
登録番号1 特許第5219179号
登録番号2 特許第5500472号
関連特許
国内 【有】
国外 【無】   
追加情報 ウェブ面に円形環を添接し且つ断面隅部に管状体を設けたことでウェブのせん断耐力は本来の降伏せん断荷重を超え50%乃至それ以上に迄引き上げられ、梁の塑性化は梁断面で決まる降伏曲げモーメントを下回ることなく降伏後も安定して耐力維持される。曲げ降伏モーメントに達して以降ウェブのせん断応力は引張応力成分だけで構成されることから、正負交番に繰返される荷重下でのウェブの局所歪みの増加にも安定して強度が付加されるため繰返し履歴ループも低下することはない。概略イメージ3の図4枚は変位振幅を±3.0%で3回,±4.5%で3回を連続して繰返した場合の解析結果で、上段の2枚は厚肉で構成されるH形断面梁,下段の2枚はウェブが薄肉で本補強構造とする梁である。無補強のH形断面梁ではウェブ幅厚比が50.0になると耐力は繰返しに伴い徐々に低下して行くが、幅厚比100の薄いウェブであっても本補強構造の梁は繰返しループは同じ軌跡を描き、下段右図のように梁両端部近傍のウェブに400mm径の円形孔を設けても乱れることはない。本補強構造は力が加わることで生じる局所変形を利用し新たな応力流れを作ることであり、軽微な補強構造で厚肉の梁から薄肉の梁まで幅広く対応できる。
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