目的
有毒な薬剤や、プラズマ処理などの真空大型装置を使用することなく、また、加熱処理や、煩雑な操作を施すことなく、安全、かつ簡便にカーボン材料表面上に含酸素官能基を導入する方法を提供し、また、得られた酸素官能基化カーボン材料から、水酸基のみで化学修飾したカーボン材料を得る方法を提供する。
効果
過酸化水素水に紫外光照射をするだけの簡便な反応操作により、カーボン材料表面上に含酸素官能基を導入することができるという優れた効果を有する。また、従来用いられてきた有毒ガスおよび混酸を使用することがないので、安全に、煩雑さを伴うことなく、カーボン材料の表面に、含酸素官能基である、水酸基、カルボニル基、エポキシ基、及びカルボシキル基を結合させることができるという著しい効果がある。
技術概要
過酸化水素水の存在下において、カーボン材料に紫外光を照射することにより、カーボン材料の表面に含酸素官能基を化学結合させるカーボン材料の表面酸化方法である。好ましくは、波長170〜300nmの紫外光を照射する反応の高効率化のためには、260nm以下の波長を有する紫外光照射下に反応を行うことが好ましい。照射する紫外光の光量が、0.1〜100mW/cm↑2の範囲である。照射時間は、10分〜7時間程度とするのが望ましい。この表面酸化方法により、表面に含酸素官能基を化学結合させたカーボン材料に、水素化試薬を作用させることにより、カーボン材料の表面を水酸基のみで化学修飾する表面処理方法である。含酸素官能基化カーボン材料に、水素化試薬を作用させることにより、種々の含酸素官能基を水酸基へ化学変換させることができる。水素化試薬を作用させることによる反応も室温下で容易に進行し、また、用いる水素化試薬の濃度は、通常、約1〜3mol/L程度のものを用いるのが好ましい。反応前のDLC膜のXPSスペクトル(図a)と比較して、酸素に由来するピークが観測され、表面上に含酸素官能基が導入されたことが確認された(図b)。
改善効果1
水素化試薬との組合せにより、表面酸素官能基の化学構造制御が可能となり、水酸基のみで化学修飾されたカーボン材料の作製が可能である。