揚砂浚渫を可能にし、揚湯、揚魚できる高揚程エアリフトポンプ(気泡ポンプ)

開放特許情報番号
L2017001166 この特許をより詳しくイメージできる、登録者からの説明資料をご覧頂けます
開放特許情報登録日
2017/8/2
最新更新日
2020/3/18

基本情報

出願番号 特願2017-049886
出願日 2017/3/15
出願人 井上 虎男
公開番号 特開2018-155102
公開日 2018/10/4
登録番号 特許第6661150号
特許権者 井上 虎男
発明の名称 多段気泡ポンプ
技術分野 土木・建築、化学・薬品、食品・バイオ
機能 環境・リサイクル対策、洗浄・除去、食品・飲料の製造
適用製品 1下水道  2温泉、地熱発電  3ダム  4水力発電  5上水道  6化学工業  7漁業  8農業  9水処理諸施設  10製鉄業  11社会・生活
目的 下水道:雑多な固形汚物水の高所への揚送、又は濾過用圧を得る。
温泉地熱発電:より深い地下から熱湯を揚湯する、又は、高所への揚湯。
ダムや発電所:取水口、取水路の沈殿砂の除去、発電用ダム、上水、工業、潅漑用ダムでは、流入堆積砂の除去輸送。
化学工業:薬液水の揚送(耐薬品性、防爆性)。
漁業:漁船、漁網からの揚魚、港での揚魚と輸送。
農業、食品:根菜類の輸送。
水処理装置:源水の輸送、沈殿物の回収除去及び輸送。
製鉄業:冷却、洗浄、処理水設備の揚泥と輸送。  
社会生活:観賞魚水槽設備、水耕栽培。
効果 1、従来のエアリフトポンプが揚送できなかった高所まで揚水できる。
2、揚水した汚濁水を遠く輸送することや、処理濾過等に必要な水圧が得られる。
3、高速回転や高速噴流部分がなく、流水方向も上下方向主体であり、被送固形物による摩耗が少ないポンプにできる。
4、設計企画の自由度が増え、経済性に優れたエアリフトポンプにでき、コストパフォーマンスが上がる。
5,ほとんどを管材で構成するエアリフトポンプは、シンプルである。
6、管内に突起物等がないエアーリフトポンプは、紐、布物や、管内径に近い大きな物が輸送できる。
技術概要
エアリフトポンプは、水中に垂下又は、立設した揚水管の下方端部に空気を注入し、揚水管内水の比重を外部水の比重よりも軽くして、管内外水の比重差により揚水するものである、とされている。
 複数のエアリフトポンプを組合せた形の本件ポンプシステムは、最初のエアリフトポンプの揚水を、上端部に載置した気水分離箱で気水分離し、その揚水を同分離箱の下辺に接続し、下方に延伸した加圧水菅に流入させる。
 同加圧水管の下方端は、反転上昇する形に形成し、同反転上昇部分に次段エアリフトポンプの空気注入口を設け、同上昇管部分を次段の揚水管とし、前段分離箱より高い上方端には、前段同様の気水分離箱を備え、所定高さに至るまで繰り返して高い揚程を得る。
 本件エアリフトポンプシステムの効率は、揚水管の全長と揚水管の空気注入口から水面までの高さ、又は、加圧水管の高さの比、即ち、浸水率により大きく左右されるものであり、経済性を考慮した最良の浸水率で複数のエアリフトポンプを組み合わせることで、効率の良い所定の揚水量、揚程を得ることができる。
 又、単純液の揚送、採砂、採泥、浚渫用ポンプのように、用途に対応したポンプに構成することができる。
イメージ図
実施実績 【試作】  60リットル水槽に、13mm口径、揚水管長730mmの従来型と本件エアリフトポンプ4段組を併置し、同一ブロワー同口径で給気、浸水深さはMax255mm以下で調整できるようにして、基本機能と揚水量を比較観察するものとした。
許諾実績 【無】   
特許権譲渡 【可】
対価条件(一時金) 【要】 
希望譲渡先(国内) 【可】 
特許権実施許諾 【可】
対価条件(一時金) 【要】 
対価条件(ランニング) 【要】 

アピール情報

導入メリット 【改善】
改善効果1 自由な高揚程を得ることは、高所に揚水出来るばかりでなく、配管や樋を使用して横移送することや、遠くに送水すること、圧力差を利用した汚濁水の濾過も可能になる。
又、揚泥作業においては、高濃度揚泥、高濃度輸送が可能になる。
改善効果2 従来のエアリフトポンプに於いては、揚水の進行に伴う吸水位の低下で、揚水量が減るばかりでなく、揚水効率が低下し、効率の悪い運転を強いられていた。
 本件エアリフトポンプシステムでは、効率の良い範囲で運転できるようになり、揚水の変化量も抑制すできる。
改善効果3 浚渫や、揚砂、揚泥作業に於いては、高速回転部品や高速噴流部分のない本エアリフトポンプの特性から、摩耗、消耗品が少なく、ランニングコストを極端に低減できる。
アピール内容 エアリフトポンプは、下水道処理施設で良く使用されており、揚程の高い沈砂回収設備においては、ジェットポンプが使用され、ジェットポンプとエアリフトポンプの組合せ使用も研究されているようである。
ダムにおいては、異常気象、集中豪雨による土砂の流入、ダム内堆砂の除去がクローズアップされ、各種工法が研究試行され、耐摩耗性の良いエアリフトポンプも一部議論されている。
いずれの場合に於いても、エアリフトポンプでは自由な揚程が得られないことが課題であった。
本件の多段形エアリフトポンプシステムは、必要な揚程をほぼ自由に得ることができるために、沈澱物の吸引に必要な吸引力や、吸泥管延長が行い易く、作業が行いやすくなる。
又、揚水後においても混合液を遠く輸送して処理施設に輸送しやすくなる。
特に、エアリフトポンプを使用する遠距離輸送は、水深の深いダムは非常に好都合な場所と言える。
従来の諸施設で使用されるエアリフトポンプに於いても、揚程に比し浸水深さの浅い、効率の悪い条件で使用せざるを得なかった設備も多く、これ等に本件エアリフトポンプシステムを使用すれば、動力費の低減が図れる。
又、温泉水や地熱発電においては、高深度揚湯が必要になる場合も多く、従来のエアリフトポンプでは対応できず、特殊な耐熱性、耐ガス性を備えた高揚程水中ポンプが使用されるが、地下水熱湯の揚水では、湯の華の付着等が多く、定期的なメンテナンスが不可欠である。
精密複雑構造の高価な水中ポンプよりもシンプルな本件多段形エアリフトポンプシステムは期待されるところと考える。

登録者情報

登録者名称 井上 虎男

事業化情報

質的条件
その他情報 【要】エアリフトポンプは、220年の実績が有るポンプであり、使用する価値ある所では、高揚程が得られない弱点がありながらも重宝される優れた特性を持つポンプである。
 複数のエアリフトポンプを組合せて、自由な高揚程を得られるようにした本件システムは、従来の市場を大きく拡大できる。
 技術の移転では、下水道施設分野、土木建設分野1(主にダム関連)、土木建設2(温泉、地熱発電)、一般産業分野(一般産業プラントや施設、水処理施設)に分類して決める。
 時間的制約はあるが、国際特許出願の権利譲渡にも対応する。

その他の情報

関連特許
国内 【無】
国外 【無】   
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